【健康栄養情報akiei】vol.6「体重が変形性膝関節症の患者さんに与える影響と減量について」

 

変形性膝関節症に体重が関係する?

結論から申しますと、答えは「Yes」です。

肥満は変形性膝関節症の発症及び増悪因子の一つになります。

当院の診察中もよく耳にする言葉かと思いますが、

体重1㎏に対して、膝の負担は歩行時で3倍、階段の昇り降りでは6~7倍かかると報告されています。

体重80㎏の方であれば、歩行時の片膝にかかる荷重は240㎏にもなるということです。

驚きですよね。

 

肥満が変形性膝関節症の患者さんに及ぼす影響とは?

◆過度な荷重によって軟骨がすり減る→痛みと腫れが悪化→運動量が減って、ますます体重増加・・・の悪循環に陥る

◆荷重による膝の負担を減らそうとして自然と運動量が減る→膝関節の筋力が低下し、支える土台が弱くなる

 

以上より、肥満は変形性膝関節症の発症や症状の悪化につながりやすくなってしまうんです。

だからこそ、予防・治療の一環としても、肥満がある方はダイエットが必要です。

変形性膝関節症の国際学会であるOARSIや英国の国営医療保健機関であるNICE、

米国整形外科学会のAAOSの3つのガイドラインでも、

変形性膝関節症の保存治療において、ダイエットはもっとも重要

と考えられており、強く推奨されています。

 

一方で、体重が膝に影響するからと言って

変形性膝関節症患者さんの全員にダイエットが必要かと言えばそうではありませんし、

闇雲に体重を落とせばいいという問題でもありません。

 

◆自分が肥満であるどうかを客観的な指標を用いて知った上で、適切なダイエットを行うこと

◆(1カ月に10㎏以上など)急激に体重を落とさないこと

◆体重が増えた”原因を分析→改善→継続”することに重点を置くこと

 

が大事です。

 

 

自分が肥満かどうかを知るには?

 

BMI(Body Mass Index:体格指数)と呼ばれる数値を利用します。

 

BMIは、肥満ややせを判定する基準として用いられる値で、

体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で求めます。

 

BMI値22がもっとも健康的で病気になりにくい値(標準体重)といわれており、

日本人では、BMI18.5未満でやせ25以上で肥満とされています。

 

肥満度の判定基準(日本肥満学会2000)

 

例)身長160㎝で体重75㎏の場合

75÷1.6÷1.6=29.3(肥満1度)

であるので、減量が必要な可能性が極めて高いです。

 

注)筋肉量が極端に少ない、または逆に多い場合など

正確な肥満度の判定として使えないこともありますのでご注意ください。

 

適切なダイエットとは?

 

膝の荷重が減って、痛みが改善し、ご自身がのびのびと散歩ができる、スポーツができる、旅行に行けると、嬉しいですよね。

 

このために活動レベルを維持しながらダイエットをする上で大事なのは

なるべく筋肉量を維持しながら体脂肪を落とし、徐々に減らしていくことです。

減量のペースは1カ月で1~2㎏くらいが適切です。(※個人差あり)

 

過度なダイエットをしてしまうと・・・

◆急激な減量に伴う筋肉量の減少があると、荷重が減ったことによる歩行速度や活動量の増加に対して、膝の筋力活動が追いつかない

◆リバウンドして、逆に膝の負担が増えてしまう

ことがあげられます。

 

また、体重が増えた原因を分析しないままダイエットをしてしまうと

ダイエット期間は体重が減っても、元の生活に戻した途端に再び元の体重に戻ってしまったり、それ以上に増えてしまったりして

せっかく頑張っても失敗に終わってしまう可能性が高くなります。

 

上記のようなリスクを避け、心身ともに健康的に過ごせるダイエットを行い膝の治療につなげるため、

当院では医師をはじめとし、リハビリ・運動・食と生活習慣の専門家がチームを組んで

ダイエットのサポートを行っております。

血液検査や体組成のデータをもとに、体の状態を確認しながら進めていきます。

 

これからダイエットしようと思われている方や

自己流でダイエットを行い体調不良になってしまったり、ダイエットとリバウンドを繰り返してしまったりして

悩みを抱えている方などいらっしゃいましたら、まずはお気軽に主治医にご相談ください。

管理栄養士 西山