半月板損傷

半月板損傷(はんげつばんそんしょう)とは?

半月板はCの字をした軟骨のような材質で作られた板です。膝関節の内側・外側にそれぞれ1つずつあります。クッションであり、かつ膝を安定させる役割をはたしています。丈夫な円座クッションのような役割です。膝の屈伸をした際には、膝がずれないように曲げる角度に合わせて10数㎜前後に動きます。これが損傷すると、膝を動かした際に痛みやひっかかりを感じたりします。ひどい場合には、急に膝が動かせなくなる「ロッキング」という状態になり、歩けなくなるほど痛くなることがあります。 
損傷のタイプとして、本来軟骨を保護する役割の半月板の役割が発揮できなくなり、変形性膝関節症が進む場合があります。

 こんな症状がでてきたらご相談ください

  • 階段の上り下りが辛い
  • 正座ができない
  • 膝を曲げ伸ばしするとひっかかりを感じる

治療法

保存療法

 治療の基本は、保存療法といわれる手術以外の治療法です。 

 膝に負担をかけないようにするために、動く量を減らす=安静にする、体重をコントロールする、膝周囲の筋力訓練・ストレッチなどの方法があります。薬を使う治療法としては、消炎鎮痛薬(内服・シップ・塗り薬)を使用して、炎症の改善を図る方法と、膝関節に直接薬剤を注射する方法があります。注射の代表例はヒアルロン酸です。軟骨表面を保護し、炎症を改善させる効果があります。 
 なお、ヒアルロン酸・コンドロイチンなどの健康食品を摂ることは積極的に推奨される治療法ではありません。


手術療法

半月板の手術は関節鏡(内視鏡)を用います。膝に1㎝に満たない大きさの傷を2-4か所開けて、カメラで確認しながら、少しずつ削る道具や糸を使って縫う道具を用いて手術を行います。 

半月板がおおきく断裂したことで、半月板がひっかかり、急に膝が動かせなくなる「ロッキング」という状態になることもあります。ロッキングをした場合は、基本的に手術治療の対象です。それ以外では、若年者のケガによる半月板損傷に対して、切れた半月板の部位を糸で縫合する手術が代表的です。 

はっきりしたきっかけのあるケガではなく、通常の日常生活を送る中で、半月板が損傷する場合があります。この場合は、一人ひとりの状態に合わせて慎重に治療法を検討します。具体的には、O脚・X脚があるのか、関節に水がたまり続けるか、スポーツを希望されるかなどです。 

引っかかって痛みが出ているのが主な症状で、水もたまってない場合など条件によりますが、半月板の一部を切除することで引っかかった痛みを改善させることが期待できます。 

目次
閉じる